3.5インチSATA HDDにLEDをつなげてみたヨ!

梅も咲いて、ちょっと春の気配を感じる今日この頃です。
RocketRAID 2720を購入した当初、アクセスランプをつけたくて色々調べたときにSATA HDDの電源11番ピンにアクティブLED/スピンアップ制御の信号が出ていることを知りました。またその信号を取り出してアクセスランプをつけたいという要望も若干はあるようです。nimanpoも11番ピンの信号を取り出すことを昔考えましたが、その方法が思いつかず断念しました。ネット上でも同様のことが見受けられます。
海外では11番ピンを取り出したこんなケーブルが売られていたりしていますが、国内(秋葉原)では見たことがありません。しかし市販されている5インチベイ内臓のリムーバブルHDDケース等にはHDDアクセスランプがついており11番ピンの信号を利用して点滅させているようです。
前回の記事で延長用のSATA電源ケーブルをいじった時に「あっ、これなら11番ピンの信号が取り出せるかも」と思ったので、今回早速試してみます(ただしスピンアップ制御はできなくなります)。

秋葉原で購入したSATA電源延長ケーブル、Ainex WA-048SAB。これなら日本国内では入手しやすいと思います。SATA電源ケーブルは1〜3番が3.3V(オレンジ)、4〜6番がGND(黒)、7〜9番が5V(赤)、10〜12番がGND(黒)、13〜15番が12V(黄)となっているのが一般的です。

この延長ケーブルはメス側のコネクタ用ピンが差し込み式になっています。11番ピンがある右から2番目のケーブルを外してみるとピンの先端はフォークのように3本にわかれています。 ★注意★ ケーブルを抜くときに、コネクタの爪を精密ドライバー等で持ち上げないと抜けないのですが、爪のヒンジ耐性がものすごく弱いのでポッキリ折れてしまう可能性が大きいです。ゆっくり慎重に作業しましょう。折れてしまったらピンを元にもどした時に開いている角穴の上から2液硬化タイプのエポキシやホットボンド等を少量つけて絶縁しながら抜けないように止めましょう。

11番ピンはフォークの真ん中部分なので左右の先端部分はニッパー等で切り取ってしまいます。こうすることでGND出力だったケーブルを11番ピンの出力ケーブルにしてしまいます。

元に戻してコネクタを覗くと(左から1,2,3・・・の順です)、10番、12番ピンはなくなってHDDへ差し込んでも接続しないことになり、11番ピンの信号が取り出せるようになります。

出来上がったケーブルは11番のみの導通を必ず確認しましょう。ケーブルの反対側は11番ピンの線を適当なところで切って使用します。今回は秋葉原に行ったときに千石電商さんで2550コネクタのオスピンを見つけて購入したのでこれをつけました。

このピンを反対側に取り付け↓

nimanpoが秋葉原で色々なSATA電源ケーブルを見てきましたが、こういった加工ができるもの(端子が抜き出せるもの)はAinexさんのものだけのようでした。二股の電源ケーブルS2-1501SA、S2-1505SAも使用できると思います。黒のみのものもあり加工もできそうですが、間違える恐れがあるので使わない方がよろしいかと思います。
11番ピンから信号を取り出せるようになったのでLEDを取り付けたいと思います。最初にここへはどういった形で出力が出てくるのでしょうか?ネットで調べてみますと色々と出てきます。こちらこちらを見ますと通常は3.3V, HighでActiveの時は最大0.225V, Low のようです・・・あれっ?これって今までやってきたRocketRAID 2720のA1とほぼ同じではありませんか。更にここでは実際に11番ピンから信号取り出してLEDをつけています。またnimanpoの手持ちの5インチベイ内臓のリムーバブルHDDケースGroovy HDD-DOOR3.5BKにもPower LEDとアクセス LEDがついており、ケースの裏側は11番ピンからの信号がLEDへつながっています↓

更にこの基盤部分を拡大したのが↓

上側の2本の線は12VとGNDで12Vにチップ抵抗(102なので10×10^2=1kΩ)を介してでPower LED(青)へつながってGNDに戻ってきています。計算してみると(12-3)/1000=9mAの電流が流れることになっているようです。下側の2本の線は11番ピンの信号と5Vになっています。5V側にチップ抵抗(221なので22×10^1=220Ω)を介してアクセスLED(赤)へつながって11番ピンへ戻ってきています。これだと前回の記事同様に通常時に5V-3.3V=1.7Vの電圧がLEDにかかるので微妙に点灯する恐れがあり、実際このケースを使ってみるとやっぱり通常時に微妙に点灯します。計算してみると(5-2)/220=13.6mAの電流が流れることになっているようです。以上を考えて、配線図はこのようにしてみました↓
使用するLEDの順電圧が2V付近の時は、3.3Vを供給することにして、順電圧が3V付近の時は5Vを供給するように考えました。電流制限抵抗の抵抗値は3.3V時は75〜180Ω、5V時は150〜220Ωとしています(この辺りは明るさの度合いで適宜調整してください)。
実際に加工したSATA電源延長ケーブルを使用してこのようにつないでみました↓

現状3.5インチSATA HDDでは、3.3Vは使用しないので電源延長ケーブルの3.3V線(オレンジ)をコネクタから外してLEDの電源として供給して抵抗は160ΩLEDは赤色にしています。このHDDへファイルコピーを行った動画が↓

アクセス時に点灯を無事確認デス。またLEDを青色に変えてみた動画が↓

3.3V供給で160Ωで青色LEDなので流れる電流は計算上2mA程度ですが、光っているのは確認できます(使用できる範疇と思います)。
この方法だと10番と12番のGNDへは未接続となってしまいますが、GNDは共通で全てつながっていることが多いです。手持ちのHDDの電源GNDピンの導通をみましたが(4と10、5と12等)すべて導通してつながっているので未接続でも大丈夫かと思います。
ちょっと強引な方法なので一般的にはオススメできませんが、興味があればチャレンジしてください。本来はSATA コネクタスルーホールタイプのプラグとレセプタクルが簡単に入手できればしっかりしたものができそう?ですが秋葉原でも探せないのでここまでがいいところかと思います。