さよならEM、STREAM Xでband1をつかめ!

いつも持ち歩いて使っているタブレットNEXUS7(2012)ですがネットへの接続はイーモバイル(現Y!mobile)のSTREAM X(GL07S)からのテザリングPocket WiFi)で行っています。モバイルネット接続は2003年にAir H"を導入したのが始まりです。その後、イーモバイルTouch Diamond(HTC S21HT)でのUSBモデム接続、HTC Aria (S31HT)テザリングを使用してSTREAM XでLTEテザリング接続と使ってきています。イーモバイルでは機種が変わると月額費もダウンしてきていました。
この5月でSTREAM Xが2年経ち更新月となりました。このためあれこれ検討した結果、流行りの各安SIMであるBIC SIM(音声通話付、IIJみおふぉん)のミニマムスタートプランに変更することにしました。決め手は今までの通信量はだいたい1GB/月であること、音声付で留守電がオプションであってWiFiスポットがつかえるといったことを考えての選択です。SIMフリースマートフォンも今話題?のASUS ZenFone 2の2GB/32GBのZE551ML-BK32 を予約しました。SIMは秋葉へ行ったときにソフマップさんで「BIC SIM音声通話パック」を買って申込みしました。音声通話SIMは本人確認が必要なので、買ってすぐには使えません(パックの中にSIMは入っていません)。すぐに使いたい場合は、BICSIMカウンターのある店舗へ行きましょう。
SIMもほどなく届き、ZenFone 2を届くのを心待ちにしていましたが、予約をしたブラックは発売延期となりました。
!Σ( ̄ロ ̄lll)  そりゃないヨ ASUSさん! 
新月を逃すとまた契約解除料がかかってしまうので、イーモバイル(現Y!mobile)は解約決定ですが、モバイル通信環境も必要です。なのでZenFone 2ブラックをキャンセルして別のにするか、STREAM XでBIC SIMを挿してしばらくつかうかを考えた結果、後者でいくことにしました。仕事帰りにY!mobile Shopへ行ってStream Xを解約してきました。これで心おきなくSTREAM Xをいじれます(^_^;)
ネットや某巨大掲示板で情報を集めますと、そのままSIMを挿すだけではテザリングできないこと、LTEでの通信はできないことがわかりました。でも色々すれば両方なんとかなりそうな感じです。ここ1週間色々試した結果なんとかなりそうなので以下に書いておきます。
流れとしては、
1.テザリングできるようにするためにroot化を行いtelephony.dbを書き換える又はADBコマンドでDUN(ダイヤルアップネットワーク)の項目を書き換える(後者の方がよろしいかと)。
2.LTE接続するためにband1をつかむ必要があるため、Ascend P2(STREAM Xのグローバルモデル)のモデムイメージをSTREAM Xにコピーしてband1をつかむ。
となります。
STREAM Xのroot化については「GL07S Root化してみた」を参考に行いました(ありがとうございます)。root化用のzipファイルはこちらにある「emobile-gl07s-root.zip」をダウンロードしました(ありがとうございます)。ついでに元に戻す用に「GL07S_P2_unroot_B207.zip」もダウンロードしておくと良いでしょう。PCのコマンドプロンプトから操作を行うので解凍したroot化用ファイル一式はPCのC:\Users\ユーザー名\root以下にコピーしておくとコマンドプロンプトからCDでrootフォルダーにすぐに移動できてroot.batを実行できるので楽でしょう。
成功するとB207状態でroot化します。Superuser権限を管理するアプリSuperSUも導入されます。root化するとroot用のアプリも色々インストールできますが、色々すると元に戻せなくなったりするので今回はここまでにしておきましょう。またこの状態でシステムの更新を行うと起動しなくなる(EMロゴでループする状態)ので注意しましょう。そうなった場合は「EMOBILE GL07S root | イーモバイルGL07S ルート化」を参考にc:>fastboot flash boot boot.imgでroot化に使ったboot.imgを焼く(ROMに書き込む)と起動してroot化された状態となります。最新のB217でもroot化になることは確認しましたが、アプリのSQLite DebuggerがB217では動かなかったのでB207に戻しました。root化後のシステム更新はうまく起動できない恐れもあるのでオススメはしません。音量ボタン下押しでブートローダーでPCにUSB接続できないとfastbootもできないのでかなりヒヤヒヤします。
テザリングできるように今度はADBコマンドを使って書き込みます。コマンドプロンプトの状態から
C:\Users\ユーザー名\root>adb shell content insert --uri content://settings/secure --bind name:s:tether_dun_apn --bind value:s:IIJmio,iijmio.jp,,,mio@iij,iij,,,,,440,10,3,*
とするとテザリングできるようになります。これまでは「(追記)GL07SとIIJmioのSIMでテザリング」にあるようにroot化後telephony.dbを書き換える方法でしたが、上記の方法は「非rootでdocomo端末のMVNOテザリングを有効化する時のadbコマンドまとめ 」を参考にSTREAM Xで試した方が某巨大掲示板に情報を上げてくれました(ありがとうございます)。テザリングだけを可能にするなら上記のroot化の作業は不要ですが、ADBが使えないとできないのでその場合はAndoroid SDKのインストールをしましょう。

次にLTE接続です。ここでは色々とアップデートファイルやそれを展開用するツールのダウンロード(インストール)をしておく必要があります。
ダウンロードしておくのは以下のファイルです。
・Ascend P2(STREAM Xのグローバルモデル)のモデムイメージが入っているファームウェアB021 P2-6011V100R001C00B021.7z ←ここからAndoroid 4.1.2 Jelly Bean B021をクリックするとダウンロードサイトにいけます(なかなかファイルのありかを探せなくて苦労しました。容量があるので時間のある時にダウンロードしましょう)。
Lhaplus 定番のアーカイバです。上記ファイルが7-Zip形式なので解凍できない場合はインストールしておきましょう。
Huawei Update Extractor (UPDATED: v0.9.9.3) 上記ファイルを解凍するとdload\UPDATE.APPというファイルになるのですがそれを読み込むためのツールです。これでMODEMIMAGE.imgを取り出します。
sgs2toex4.zip MODEMIMAGE.imgをext4形式に変換するソフト。こちらを参考に作業を行ってください。
Linux reader 上記によってMODEMIMAGE.ex4.img というファイルが出来上がるのでそれをマウントするとbalongフォルダー以下のファイルが取り出せます(ここまで結構大変です)。
PCとSTREAM XをUSB接続して、取り出したblong フォルダー以下をSTRWEAM Xにコピーします。通常は内部ストレージで接続されていると思うので、Downloadフォルダー内にコピーしました。次にSTREAM XにRoot Browserをインストールします。起動するとルート以下のフォルダーが出てくるのでmodem/modem_imageに移動します。この時root化しているのでSuperSUからリクエストがくるので許可するとbalongフォルダーが出てきます。balongフォルダーを長押ししてRenameします(balongemとしました)。その後、homeに戻りsdcard/Downloadに入ってPCからコピーしたbalongフォルダーを長押ししてCopyを押します。そしてhomeに戻りmodem/modem_imageに入ってPasteします。元に戻ってSTREAM Xを再起動して設定からモバイルネットワーク設定→ネットワークオペレーターでネットワークを検索するとNTT DOCOM 4Gが出てきます。「GL07S root化とband1?」のサイトにあるように最初はネットワークが切れるとローミング管理画面がすぐに出てきてちょっと面倒なのですがnimanpoの場合は何日かすると安定して?LTEをつかめるようになりました。
また某巨大掲示板にはtelephony.dbの使用しているAPNを探し「default,supl,ia」を設定するとLTEになるとの書き込みもあるため設定しておくことにしました。STREAM XにSQLite Debuggerをインストールします(ネットにはSQLite Editorでの書き換えが載っているのですが¥300するので無料のSQLite Debuggerを使いました)。SQLite Debuggerを起動するとSuperSUからリクエストがくるので許可します。その後Appから下の方に下がって電話/SMS用ストレージを選んでtelephony.dbを読み込みますcarriersを選んで上の方にあるSELECT?を選んでOKを押すと一覧表が出てきます。画面右下の右上矢印をちょっと長押しすると最後のページにいくのでiijmioの行のTYPEの所(指で左送りすると出てきます)がdefault,supl,hipriになっているのでそこを指でタップすると項目の変更ができるようになります。Update valueを選んでhipri→iaに変更します。変更したら右上の時刻の下にある白い右三角を押すと1 row updatedと表示されます。その後右下の赤い部分のCommit→Commitすると変更されます。
iijmioLTEになっている画面は↓です。

root化するするとメーカー保証はきかないので、くれぐれも変更する場合は自己責任でお願いします。ZenFone 2が届くまではこれでいこうかと思います。今回は色々と工程が多いので少し大変でしたが楽しめました。先人皆様の情報のおかげです。ありがとうございましたm(__)m
カスタムリカバリのtwrpも導入しましたが、よく知らずに導入したのでアンインストールするのが大変でした(結局、Ascend P2 からrecovery.imgを取り出してfastboot flash recovery recovery.imgでリカバリー領域を焼き直してアンインストールしました)。SuperSUも更新するとrootとれなくなったりするので更新しない方が良さそうです。

あれこれPCをメンテナンスする

GW中にメインPCのCrystalDiskInfoを実行したら水晶雫様に「Diskの温度がとっても高くなっちゃったよ〜・・・」と注意されてしまいました(音量が大きいのでビックリしたヨ)。値を見るとHDDの温度が52℃となっていました。なんか変だなぁ今までこんなことなかったのになぁと思いメインPCのケースを開けてみるとリアとフロントのFANが停止していました(>_<)
メインPCのケースはYCC-688Aという当時アルミケースとしては格安の部類に入るケースで2002年の7月に購入したものです。リアには120mmFAN×1、フロントには80mmFAN×2が取り付けられる仕様となっています。今は昔と違ってケースFANはとても充実していますね。秋葉原に行って購入してきたFANは
120mm FAN CFZ-120F ainex 1600rpmの標準タイプ。羽にディンプルがあって空気抵抗と乱流を低減するようです(OMEGAブレード)。
80mm FAN RDL825NMB12 親和産業 1200rpmの低回転FAN。2個購入。
早速取り付けです。リア(120mm×1)、フロント(80mm×2)を取り付けましたがHDDの冷却が今一つだったので、フロントの80mm FANの1つをHDDを取り付けてある5インチベイの前に無理やり取り付けて(得意のワイヤータイです)みたところ32℃程度になったのでこれでいこうかと思っています(写真は格好悪いので割愛します)。

次はWHS2011PCのメンテナンスです。こちらはVVAULTをx64-6.2.0 → x64-7.6.2 へとバージョンアップしました。特に不具合が出ていたわけでもないのですが、不具合を修正してきているようなので今回バージョンアップしました。ダウンロードしたセットアップを実行するだけで無事完了です。
続いて温度やFANの回転数をモニターするためにAI Suite 2をセットアップしました。先にspeedfanをセットアップしたけどCPUの温度が90℃と炎アイコンも表示されてしまいます(華氏の値を表示しているようです)。AI Suite 2はMBについてきたDVDからのセットアップがOSがWHS2011だったためできなかったのですが、今回最新のバージョン1.02.20(2012/01/29更新)をダウンロードしてセットアップしたらできて温度表示も33℃と正常なようなので温度やFANの回転数をモニターにはこちらを使用することにしました。
RocketRAID2720についてもHighpointさんのサイトにAFTに対応したとのアナウンスがありました。最新のBIOS(v1.12 2015/01/28)、driver(v1.6.6.0 2015/01/28)、Web RAID Management(v2.5.2.4 2015/01/12)となっています。こちらについては機会があれば試してみたいと思います(ドライバーを変えるとnimanpoの環境ではスリープからの復帰でエラーが出たりで現状古いドライバーv1.2.12.424を使用しているため、これをするのはちょっとコワイのです)。

久しぶりに録画用PCのテコ入れ

1年以上放置してましたが、お久しぶりの更新です。

録画用PCの構成は以前の記事から録画ファイルを保存するHDDがSeagate ST3000DM001(SATA3、3TB)→HGST 0S03357(HDS724040ALE640、SATA3、4TB)に(2012年6月)、電源がAbee ZU-400WX → COUGAR GX-S 500W(HEC-GX-S 500)に(2014年1月)変更しています。電源のZU-400WXは2009年2月の購入で5年近く使ったので昨年交換しました。

今回GW期間を利用して録画ファイルを保存している4TB HDDが3年近く運用していることになるので更新することにしました。昨年から6〜8TBの3.5インチHDDが発売され、2月にはseagate ST8000A0002 が発売となりました。
大容量のHDDを使うには故障するリスクも考えなければなりません(個人用なのでたかが知れてはいますが)。昨年はオンラインストレージサービスのBACKBLAZEさんが発表したデータに注目があつまりました。
GIGAZINEさんの記事「ハードディスクはどこのメーカー製が一番壊れにくいのかが2万5000台の調査結果でついに明らかに」
つづき「HDD約3万5000台を運用した実績からSeagate製品の圧倒的壊れっぷりが明らかに」
これを読んじゃうとseagateのHDDはやめてちょっと高くてもHGSTかなぁと思うほどの内容です。
でも今年に入ってからは「HDD4万台以上の運用データが公開され信頼できるハードディスクメーカーの傾向に変化が生じていることが判明」
と状況も変わってきているようです。4月に発表されたマイナビさんの記事「Seagate 3TB HDDに高い故障率 - Backblaze分析報告」でもseagateの3TB HDDが高い故障率のようです。そんな中、入手可能で大容量HDDの候補を以下に絞りました。
1.HGST 0S03842 6TB
2.TOSHIBA MD04ACA600 6TB
3.WESTERN DIGITAL WD60EFRX 6TB
4.SEAGATE ST8000AS0002 8TB
まぁ誰が選んでも現状ですとこんなところになるかと思います。この中で購入したのは↓

SEAGATE ST8000AS0002 8TB
今回は容量単価が安くて一番大容量で、話題となっているSEAGATE ST8000AS0002 を購入しました。早速録画用PCの3.5インチベイへ取り付けです・・・がっ取り付けできません(>_<)

上:HGST 0S03357、下:SEAGATE ST8000AS0002、左側:フロント方向、右側:リア(コネクタ)方向
SEAGATE ST8000AS0002 には側面の中央のネジ穴がありません!
こうなったら3.5→5インチ変換マウンタで5インチベイに取り付けだと思いパーツ箱をゴソゴソして変換マウンタを3種類試しましたが手持ちのマウンタは中央のネジ穴を使用するものばかりでした(T_T)
このため、緊急用に5インチベイに取り付けてあるカートリッジなしでHDDを交換できるリムーバブルケースに収めました。ネットで確認すると以下の情報が載っていました。
ainexさんのサポート情報「3.5インチHDD変換マウンタ 一部の大容量HDDで固定穴位置が合いません」
更に対応検討中のようで新製品情報で「HDM-38」にて対応のようです(出荷開始は2015年5月26日)。これは購入決定デス!
ちなみに底面のネジ穴位置も変更してます↓

左:HGST 0S03357、右:SEAGATE ST8000AS0002
HDDの側面中央のネジ穴を使ってケースに取り付けている方は結構いるのではないかと思われます(ちょっと古いケースはそうなんではないのかなぁ?)。皆さんも購入の前にケースを開けて取り付け位置をしっかりと確認することをオススメ致します。
ちょっとありましたが、録画用PCは元気に稼働中デス!HDM-38の発売を心待ちにしております。3年は持ってはしいなぁ?今まで頑張ったHGST 0S03357 は倉庫用として利用する予定です。

パート4への道その3

暖かくなったと思いきや寒かったり風が強かったり不安定な日が続いています。
引き続きRocketRAID 2720のLED接続基板の第4弾を検討中です。前回の記事では4chローアクティブのトランジスタアレイTD62308APGを使って接続基板を考えてみました。ネットで色々と調査をしているちにコストパフォーマンスに優れている¥100/2個の8chのトランジスタアレイTD62083APGを利用することを思いつきました。データシートを見ますとTD62083APGを利用するには通常時Low、アクティブ時にHighとRocketRAID 2720のA1、F1ピンやSATA HDD 電源11番ピンからの信号とは逆となっているため反転する必要があります。信号を反転するのに汎用ロジックICを利用しようと考えました。
反転用のICはインバータ「否定回路」というもので、TC74HC04APが入手しやすいようです。データシートを見ますとHighを入力するとLowが出力され、Lowを入力するとHighが出力される回路が6回路入っています。入力電圧を見ると、Vccが4.5VでHighレベルと判断するのが3.15VとVccの70%となりVccが5Vだと3.5Vとなるため、Vccを5Vとするのは難しそうです。ネットで調べると入力電圧が3.3Vで5VでLEDを動かす場合はレベル変換をしないといけないようです。こちらを見ますと3.3V→5Vへのレベル変換は入力電圧レベルを満足できれば変換できるとありTC74VHCTやTC74ACTシリーズは入力VIHが2Vで使用できるとあります。TC74VHCT04はこちらからTC74VHCTシリーズを見ますと3種類ありますが工作しやすいDIPパッケージはなさそうです。TC74ACTシリーズにはTC74ACT04PというDIPパッケージがありVIHが2Vなので使えそうですが、入手性がちょっと悪いようです。そんな中見つけたのがTC74HCT04APです。データシートを見ますとVccが4.5〜5.5VでVIH=2.0VとなっていてこれならVccを5Vにして入力電圧が3.3VでLEDを動かすことができそうです。さっそく千石電商さんへ行って購入してきました。

¥30/個でした。TD62083APGと組み合わせて試しに4回路分を考えてみました。回路図は↓

TC74HCT04APはCMOSのため「使用していない入力はVccまたはGNDに接続してください」となっているので5と6の入力はGNDに接続しています。またRocketRAID 2720のA1のPin1-4についてもHDDをつないでいないからといって端子をオープン(つながない状態)にするのはNGです。オープンにするときはその入力端子をVccかGNDに接続しましょう。ブレッドボード上での配線図は以下のようにしました。

実際に試したのがこちら↓

実際にRcoketRAID 2720のA1ピン4本につないで、ディスクアクセス(実際にはCrystal Disk Markを走らせた)させた動画が↓

問題なくLEDはピカピカします。これなら前回記事同様、順電圧の異なるLEDもつなげることが可能となります。明るさもそれぞれの電流制限抵抗を変えて調節できますし、アクセスがないときはトランジスタのスイッチが切れますので確実に消灯します。また16回路作るとしてTC74HCT04AP×3個+TD62083APG×2個→¥90+¥100=¥190と前回よりもリーズナブルにできそうです。
この方式でRocketRAID 2720のLED接続基板の第4弾を考えようと思います。

パート4への道その2

RocketRAID 2720のLED接続基板の第4弾を検討中です。構想はまとまってきたものの前回の記事ではちょっと大がかりになりそうなことがわかりました。このためもうちょっとスマートにしようと思いネットで色々と調べていると時に見つけたのが、トランジスタアレイです。トランジスタアレイはその名の通りトランジスタを複数回路収めたもので多いと8回路も入っているようです。安くてLEDのスイッチとして使えそうなところだとTD62083APGが¥100/2個となっています。でもこちらは入力動作レベルがHighとなっています。ネットでの使い方の事例もこのタイプが多いのですが、今回の入力信号はLowでLEDをONにしたいので逆となってしまいます。更に調べているとこんなものを見つけました。
「トランジスタアレイ 4chローアクティブダーリントンシンクドライバ TD62308APG 2個入」
これなら使えそうな感じがします。データシートを見ますと基本回路はインプットにPNP型トランジスタがつながっておりその先にNPN型トランジスタがつながっているという前回記事と同じような構成となっています。早速、秋月電子通商さんへ行って購入してきました。

TD62308APGとTD62083APG(ついでに買ってみた。よく似た型番で間違えそうです)。
TD62308APGのデータシートを見ますとLowレベルと判断するのが、Vcc-3.6Vのようです。5V供給とすると5-3.6=1.4V以下でLowレベルとなるので、RocketRAID 2720のA1、F1やSATA HDD 11番ピンの信号をそのままつなげそうですが、Highレベルの値が、Vcc-1.0VやVcc-1.6Vとなっており5-1=4V、5-1.6=3.4Vと3.3Vよりも高い値のため5V供給は難しいと判断しVccは3.3Vとしました。回路図はこちら↓

TD62308APGは4回路入りなので、4つLEDがつなげます。ブレッドボード上へ配線図は以下のようにしました。

手頃な大きさのBB-801だとぎりぎり8回路/枚程度になりそうです。実際に試したのがこちら↓

4回路分だけ作りました。実際にRcoketRAID 2720のA1ピン4本につないで、ディスクアクセス(実際にはCrystal Disk Markを走らせた)させた動画が↓

問題なくLEDはピカピカします。これなら順電圧の異なるLEDもつなげることが可能となります。明るさもそれぞれの電流制限抵抗を変えて調節できますし、アクセスがないときはトランジスタのスイッチが切れますので確実に消灯します。16回路でブレッドボードBB-801が2枚でできます。コスト的にはTD62308AGPが¥200/2個なので16回路作るには¥400かかってしまいます。ローアクティブのトランジスタアレイで8回路入っているTD62384APG等が入手できればもうちょっとコンパクトにできそうですが、廃止品のため流通在庫のみのようで今回は見送っています。
今回トランジスタアレイでLEDをピカピカできることがわかりました。色々とネットで調べているうちに入手性が良くてお安いTD62083APGを利用して接続基板を作ることを思いつきましたので更に試してみようと思っています。

パート4への道

前回、前々回の記事でRocketRAID 2720と3.5インチSATA HDDにLEDをつなげてみていますが、LED接続基板的にはほぼ同じ考えでいけることがわかってきました。ただLEDのカソード(−)の先が通常3.3Vかかっていることになるので、順電圧が異なる赤と青といったLEDを一緒につなぐ時には供給電源を3.3Vと5Vに別々するとか、3.3Vでなんとかするとかいったことになってしまいます。パート1で試した時には3.3Vでなんとかする仕様ですが、見た目にピンクのLEDは他と比べ点滅が弱く(暗い)使用するのをあきらめています。
なのでもうちょっと色々なLEDが接続できて明るさも調整可能なようにするにはLEDを点滅させる回路とRocketRAID 2720やSATA HDDの出力(通常High、アクセス時Low)を分ける必要があると考えました。LEDの点滅は5Vを供給して電流制限抵抗を介してLEDをつないでGNDへ。そしてそのON/OFFのスイッチをRocketRAID 2720やSATA HDDのアクセス信号出力(通常High、アクセス時Low)とする方法です。アクセス信号をスイッチにしてLEDを点滅させるには・・・・・これも昔にやったことことに近いなぁ・・・・・トランジスタのベースに2720やHDDのアクセス信号出力を入れればいけるんじゃないかなぁと考えました。でもベース入力が0VでONだよなぁ・・・・・「トランジスタ スイッチ」で検索っと・・・・ここを見ると出力LowでE-C間に電流が流れるのはPNP型を使えばいいのか、この場合にはNPN型の2SC1815のコンプリメンタリの2SA1015を使うのがよさそうだなぁ・・・・・昔、2SC1815を使った時に一緒に買ったかも・・・・・部品箱をゴソゴソっと・・・・・ありましたッ↓

2SA1015GR。当時(3年前)は20個で¥100かぁ(現在は¥100/10個)。2SA1015を使用した回路ではベース電圧が(エミッタ電圧−0.6V)より電圧が高いと電流が流れないのかぁ・・・ここここを見るとエミッタ電圧を5Vとすると4.4V以下でエミッタ−コレクタ間に電流が流れてしまうのかぁ・・・ベースにRocketRAID 2720のA1やF1、SATA HDDの1番ピンの信号を直接つないでも3.3Vと0Vの変化だから常時ON状態でスイッチにならないなぁ・・・・・エミッタに3.3Vを入れて2SA1015をON−OFFしてこの信号(コレクタに流れてきた電流)をNPN型の2SC1815のベースに入れたら5VをON−OFFできるんじゃぁないかな・・・・・これが似ているかなぁ・・・・・ってなことでこんな回路を考えてみたっ↓

R1、R2、R3とも手持ちであるのが1k,3.3k,10k,33kなのでとりあえず10kΩでいいかなぁ・・・10kΩだと2SC1015へのベース電流は(3.3V-0.6V)/10000Ω=0.27mA、GRランクの最低Hfeは200倍だからE-C間電流は0.27×200=54mA、でもコレクタにも10kΩで(3.3V-0.2V-0.6V)/10000Ω=0.25mAの電流が2SC1815のベースに入ることななりそうだ(あっているかなぁ?)。0.25×200=50mAってことになるかなぁ?まぁ20mA以上あるから大丈夫でしょう。ブレッドボードでの配線図は↓

2回路分となっています。LEDへの電流制限抵抗は160→330Ωにしておきました。これだと(5V-2V)/330Ω≒9.1mAの電流となります。実際に試してみたのが↓

実際にRocketRAID 2720 A2-4,F2-4(channel8)にHDDをつないでディスクアクセスとSATAケーブル引っこ抜きテストをした動画がコレ↓

アクセス時、障害時共LEDがピカピカします。5V供給していますが、赤色LEDのカソードはGNDにつながっているのできちんと消灯します。これなら、色々なLEDをつないでも大丈夫そうです。
よし完成!と思いましたが、RocketRAID 2720で全配線をするには16回路分必要です。1回路でトランジスタ2個使うので、現在だと¥10×2×16=¥320、ブレッドボード上だと1回路で4列(行?)使用しますし、実際に使おうとするとヘッダーピンをつなげてLEDや信号線を接続しやすくすることも必要なので、手頃な大きさのBB-801だと4回路/枚程度になりそうです。16回路で4枚使用はちょっと大げさすぎな感じがします。それに正直言うとこの配線が結構めんどくさいのです(>_<)。老眼になってきたnimanpo的にはこれを16回路分作るのは楽しいけどしんどいのです(でもSATA HDDのアクセスランプ用に4台つなぐ程度は使えそうです)。
なのでもうちょっとスマートにならないものかと考え中です(実際にはここの記事等を参考にトランジスタアレイを使用しようと考え中)。

3.5インチSATA HDDにLEDをつなげてみたヨ!

梅も咲いて、ちょっと春の気配を感じる今日この頃です。
RocketRAID 2720を購入した当初、アクセスランプをつけたくて色々調べたときにSATA HDDの電源11番ピンにアクティブLED/スピンアップ制御の信号が出ていることを知りました。またその信号を取り出してアクセスランプをつけたいという要望も若干はあるようです。nimanpoも11番ピンの信号を取り出すことを昔考えましたが、その方法が思いつかず断念しました。ネット上でも同様のことが見受けられます。
海外では11番ピンを取り出したこんなケーブルが売られていたりしていますが、国内(秋葉原)では見たことがありません。しかし市販されている5インチベイ内臓のリムーバブルHDDケース等にはHDDアクセスランプがついており11番ピンの信号を利用して点滅させているようです。
前回の記事で延長用のSATA電源ケーブルをいじった時に「あっ、これなら11番ピンの信号が取り出せるかも」と思ったので、今回早速試してみます(ただしスピンアップ制御はできなくなります)。

秋葉原で購入したSATA電源延長ケーブル、Ainex WA-048SAB。これなら日本国内では入手しやすいと思います。SATA電源ケーブルは1〜3番が3.3V(オレンジ)、4〜6番がGND(黒)、7〜9番が5V(赤)、10〜12番がGND(黒)、13〜15番が12V(黄)となっているのが一般的です。

この延長ケーブルはメス側のコネクタ用ピンが差し込み式になっています。11番ピンがある右から2番目のケーブルを外してみるとピンの先端はフォークのように3本にわかれています。 ★注意★ ケーブルを抜くときに、コネクタの爪を精密ドライバー等で持ち上げないと抜けないのですが、爪のヒンジ耐性がものすごく弱いのでポッキリ折れてしまう可能性が大きいです。ゆっくり慎重に作業しましょう。折れてしまったらピンを元にもどした時に開いている角穴の上から2液硬化タイプのエポキシやホットボンド等を少量つけて絶縁しながら抜けないように止めましょう。

11番ピンはフォークの真ん中部分なので左右の先端部分はニッパー等で切り取ってしまいます。こうすることでGND出力だったケーブルを11番ピンの出力ケーブルにしてしまいます。

元に戻してコネクタを覗くと(左から1,2,3・・・の順です)、10番、12番ピンはなくなってHDDへ差し込んでも接続しないことになり、11番ピンの信号が取り出せるようになります。

出来上がったケーブルは11番のみの導通を必ず確認しましょう。ケーブルの反対側は11番ピンの線を適当なところで切って使用します。今回は秋葉原に行ったときに千石電商さんで2550コネクタのオスピンを見つけて購入したのでこれをつけました。

このピンを反対側に取り付け↓

nimanpoが秋葉原で色々なSATA電源ケーブルを見てきましたが、こういった加工ができるもの(端子が抜き出せるもの)はAinexさんのものだけのようでした。二股の電源ケーブルS2-1501SA、S2-1505SAも使用できると思います。黒のみのものもあり加工もできそうですが、間違える恐れがあるので使わない方がよろしいかと思います。
11番ピンから信号を取り出せるようになったのでLEDを取り付けたいと思います。最初にここへはどういった形で出力が出てくるのでしょうか?ネットで調べてみますと色々と出てきます。こちらこちらを見ますと通常は3.3V, HighでActiveの時は最大0.225V, Low のようです・・・あれっ?これって今までやってきたRocketRAID 2720のA1とほぼ同じではありませんか。更にここでは実際に11番ピンから信号取り出してLEDをつけています。またnimanpoの手持ちの5インチベイ内臓のリムーバブルHDDケースGroovy HDD-DOOR3.5BKにもPower LEDとアクセス LEDがついており、ケースの裏側は11番ピンからの信号がLEDへつながっています↓

更にこの基盤部分を拡大したのが↓

上側の2本の線は12VとGNDで12Vにチップ抵抗(102なので10×10^2=1kΩ)を介してでPower LED(青)へつながってGNDに戻ってきています。計算してみると(12-3)/1000=9mAの電流が流れることになっているようです。下側の2本の線は11番ピンの信号と5Vになっています。5V側にチップ抵抗(221なので22×10^1=220Ω)を介してアクセスLED(赤)へつながって11番ピンへ戻ってきています。これだと前回の記事同様に通常時に5V-3.3V=1.7Vの電圧がLEDにかかるので微妙に点灯する恐れがあり、実際このケースを使ってみるとやっぱり通常時に微妙に点灯します。計算してみると(5-2)/220=13.6mAの電流が流れることになっているようです。以上を考えて、配線図はこのようにしてみました↓
使用するLEDの順電圧が2V付近の時は、3.3Vを供給することにして、順電圧が3V付近の時は5Vを供給するように考えました。電流制限抵抗の抵抗値は3.3V時は75〜180Ω、5V時は150〜220Ωとしています(この辺りは明るさの度合いで適宜調整してください)。
実際に加工したSATA電源延長ケーブルを使用してこのようにつないでみました↓

現状3.5インチSATA HDDでは、3.3Vは使用しないので電源延長ケーブルの3.3V線(オレンジ)をコネクタから外してLEDの電源として供給して抵抗は160ΩLEDは赤色にしています。このHDDへファイルコピーを行った動画が↓

アクセス時に点灯を無事確認デス。またLEDを青色に変えてみた動画が↓

3.3V供給で160Ωで青色LEDなので流れる電流は計算上2mA程度ですが、光っているのは確認できます(使用できる範疇と思います)。
この方法だと10番と12番のGNDへは未接続となってしまいますが、GNDは共通で全てつながっていることが多いです。手持ちのHDDの電源GNDピンの導通をみましたが(4と10、5と12等)すべて導通してつながっているので未接続でも大丈夫かと思います。
ちょっと強引な方法なので一般的にはオススメできませんが、興味があればチャレンジしてください。本来はSATA コネクタスルーホールタイプのプラグとレセプタクルが簡単に入手できればしっかりしたものができそう?ですが秋葉原でも探せないのでここまでがいいところかと思います。